少しの論理的思考で人生を豊かにする。

ドイツの研究者のブログ。ライフハック的なことだったり、仮想通貨に関してだったり、機械学習だったり。雑多なことを書き連ねます。

人生の意味。ゴール。

まさです。

 

この記事が少しでも多くの人の幸福度を上げられる手伝いになればと思い、僕なりに真剣に書きました。ちょっと長いです。人生の意味って。ゴールって。

 

 

人生は時々ゲームに例えられたりしますよね。

お金持ちの家に生まれたらイージーモードだとか、運が大きな決定要因の運ゲーだとか。小さいころから学力テストや体力テスト、大人になっても学歴や資金力といったものさしで他人と比べられることが多く、高スコアを叩き出すと評価されるといった点では、人生はゲームといってもよいでしょう。ある程度、運でランダムに決まったりするあたりもゲームとして面白い要素ですよね。

常日頃資本主義の競争社会で生きている私たちは、なにかしらの目標をもって成果を上げたり、成長を感じたりするわけです。また、恋愛や結婚などのイベントもあります。そして経験値が上がるとレベルアップ、昇進・昇給。

 

 

まぁ、人生は山あり谷ありのゲームに例えられるとして、大事なことが抜けているように思います。

 

そのゲームの目標ってなに?ゴールはなんだ?

 

この考えが非常にぼやっとしているんじゃないかなぁ、と思うわけです。

そうじゃないですか?

 

・・自分にとってゴールが明確だよ、という人はこれ以降読まないでOKです。

いまいちわかってない、日々頑張って生きているけど人生の目標?ってわからない、そんな人は読んでみてください。社会人で死ぬほど残業して、自分何やってるんだろ・・という人は、ちょっとこの記事読んで考えてみてほしいです。

あくまで僕の一意見だけど、でも研究者として社会学の知見をベースに分かりやすく提案します。きっと役に立ちます。

 

 

人生の目標って、お金持ちになって好きなことに好きな時間をさけるようになること?

ちょっと違いますよね?お金や余暇はあくまであるゴールへ近づきやすくなるため・選択肢を制限しないための「ツール」であって、「ゴール」じゃない。

 

有名になること?周りから尊敬されること?自分のやりたいことを追求すること?

これらも少しずれている気がします。上にあげた項目が本当にゴールなの?と尋ねられて、そうだよ、と自信をもって答えられる人は幸せです。

 

 

今、「幸せ」という言葉を出しましたが、結局ここにいきつくんじゃないかな、と思っています。

山あり谷ありのゲームの中で、幸福量のハイスコアを叩き出すこと

なるべく長期間、幸福度(Quality of Life)を高い状態で維持すること

と言い換えてもいいかもしれません。

 

なんだよ、ありきたりかよ、と思った人、ちょっと待ってください。ここからが本題。

 

「じゃあ、人生はなるべく幸福になるゲームだとして、その幸福ってどう定義するのか、という話」に対して、社会学的知見から答えてみようじゃないか、というのが今日の試みです。

 

もちろん、一個人の解釈と提案ですから、誰しもがそう思わなくてよい。人によってものさしが違うことは明白です。とはいえ、その人によって違うものさしを一般化して提唱している概念があるわけです。そこを知っておくと、いろいろ物事の見方が変わってくるんじゃないかと。なお、一応ですが、僕は社会学・心理学などは専門分野ではないです。ただ、文献を読んでなるほどと思ったところから書いている感じです。

 

 

 

まずは、人間の欲求から理解しましょう。これは食欲、性欲、睡眠欲の三大欲求だけではなくて、もっと高次の欲求も知っておく必要があります。それには、Maslowが1943年に提唱した、欲求の階層(Maslow’s hierarchy of needs)、というのが古典的だけど広く受け入れられている考え方を頭に入れておきましょう。

 

その理論によると、人間の欲求は5段階のピラミッド状になっていて、

下から順番に満たしていきたいという風に思うのだそうな。

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日本のような先進国でいえば、生理的欲求(食べる・寝るなど)と安全欲求(防災)は、完全ではないにしろ、途上国に比べれば大幅に担保されている状況でしょう。そのうえで、多くの人は次の欲求、所属と愛、そして尊厳欲求を追求しているのが現代社会といえます。TwitterやFacebook、InstagramのようなSNSは、誰とでもつながっているような気になれるし、フォロワー数や高評価の数が多いと、他人に尊敬されているような気にさせられる(尊厳欲求が他人によって満たされる)。

 

ここで意識しておきたいのは、このような5段階のうちで、自分は特にどの段階でどんな欲求を満たしたがっているのか、ということです。自分の幸福度を最大化するのが人生の目的だとして、極端な話、生理的欲求を満たすことで十分に幸せだと感じ続けられる状態であれば、別にそれより上の欲求を満たす必要はないわけです。

 

逆に、自分はなるべく高次の欲求を満たしたいようだ、と思う人であれば、なるべく上を狙っていく必要があるわけです。ただし、大事なのは、ピラミッドを意識すること。例えば、尊厳欲求を満たそうとしている人は、それより低次の欲求がバランス良く満たされていないと条件が整っていない可能性があります。尊厳欲求を満たそうとする前に、自分は所属・愛による安心感を十分に得ているか?安全な生活に満たされているか?といったことを再確認してみるといいでしょう。

 

また、高次の欲求にチャレンジすればするほど、当然ながら上手く行ってくれないことが多くなってくると思います。リワードが大きい分、リスクが高いのです。多大な時間や労力を割いたとしても、決して上手く行く保障はないのです。高次の欲求を満たすことに失敗したとき、どうするか?今意識している欲求の段階をいったん諦め、それより簡単に満たされる欲求をしっかり満たしてください。じゃないとピラミッドのバランスが崩れる。

 

SNSを長時間やるほど不幸になる、という研究結果が数年前に報告されましたが、あれも今のご時世の社会問題といえます。幸福度を高めるルールを崩してきてる。SNSは簡単に所属感が得られる上に、いいねの数やフォロワー数などで他人に認められている度合いを数値化して尊厳欲求を刺激してくる仕組みになっています。はりぼての、インスタントスナックのようなお手軽さ。高次の欲求をダイレクトに満たせるような仕組みに誰しもが簡単にアクセスできる時代になったのです。いいね!

 

・・とはいえ、そんな簡単に本来高次の欲求は満たせるようになったとしても、その多くは吹けば飛ぶような薄っぺらいものであったりして。インターネットに接続できなければ、アカウントが消えてしまえば、一瞬でその土台が崩れる、はりぼてです。仮想空間での疑似的な欲求不満解消のツールに過ぎない。その薄っぺらさは、のめり込めばのめり込むほど気づいてきてしまいます。実社会での人間環境などと比べてしまい、よけい現実を見るのが辛くなる。そういった場合は、いったん低次の欲求を満たすことを考えてみるのはアリだと思います。急がば回れ、じゃないけれど。

 

今の情報化社会は、簡単に人と繋がれて、大勢の赤の他人から評価を受けやすい環境になった。その結果、「バーチャルな世界でお手軽に」所属感や尊厳が満たされるようになった一方で、身を置いている実社会とのギャップによって苦しんでいる人も増えた、ということです。長くなったのでいったんまとめると。

 

 

 

 

・・・欲求の構造は伝わったでしょうか。これを意識して、幸福度を最大化していきましょう。必ずしも高次の欲求を満たす必要なない。下から、順番に、しっかりと土台を作る。次に、何をやればいいのかですよね。ここで出てくるのがQuality of Lifeと Wellnessという概念です。

 

Quality of Life(QoL)とは?

一般に、ひとりひとりの人生の内容の質社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。

クオリティ・オブ・ライフは、個人の収入や財産を基に算出される生活水準standard of living)とは分けて考えられるべきものである。

ーWikipediaより抜粋

この記事でいうところの幸福度ですね。QoLを高めましょうということ。

 

で、QoLを高めようとした際に、Wellnessという概念を知る必要が出てきます。

 

Wellnessとは?

近年のウェルネスの定義には2015年にGlobal wellness Instituteが提唱する「身体的、精神的、そして社会的に健康で安心な状態」がある。

ウェルネスとは、病気ではない状態であるヘルス(健康)を「基盤」として、その基盤をもとに豊かな人生、輝く人生を実現することが「ゴール」である。

 1961年に、アメリカ医学者ハルバート・ダンによって提唱された。

ーWikipediaより抜粋 

 

まぁMaslowの提唱した構造もこれに近いものがありますが、Wellnessはどちらかというと、それぞれの欲求を並列的に見ているような気がします。で、少し分類が異なる。

 

Roscoeによる2009年の総説によると、Wellnessは5-7つの分類に区分されることが多いと(区分は専門家によって少し異なる)。

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この図は全然Maslowの方と比べて日本語で出てきません。ウェルネスという言葉が商業的に使われている一方で、コンセプト自体はいまいち浸透していないのかもしれません。が、とりあえずここでは7つにまとめてみました。それぞれ詳しくは説明しませんが、なんとなく大枠でこういう風に分類されるのね、とわかってもらえればOKです。大事なのは、これらの組み合わせをバランスよく満たすこと。これらの要素はお互い関係しあっていることが分かっています。筋トレすると精神的に良い効果があるとかね。という点で、証明はできませんが、あまりにバランスが不均一になってしまうと、高いQoLは維持できないんじゃないでしょうか。

 

なので、自分の生活を見てみて、どの部分がクリティカルに欠けているか、どこの部分が伸ばしやすそうかを考えてみるとよいと思います。これ大事。なぜなら、各要素が関係しあっているから、どれか一つ致命的に欠けている状態だとしても、他の要素を高い状態に持っていくことで、自然と欠けている部分も改善される可能性があるからです。

 

 ここら辺の要素をバランスよく満たしていくと、結果としてMaslowの階層的欲求でいう、より高次の段階まで届くような気がします。

 

ーーー結論ーーー

人生は

「山あり谷ありのゲームの中で、幸福量のハイスコアを叩き出すこと」

「なるべく長期間、幸福度(Quality of Life)を高い状態で維持すること」

 がゴールであり、

具体的なHowを含めると、

自分の欲求のレベルを知り、Wellnessでの欠けている部分を補うために伸ばせそうなところを満たしてあげることで、結果としてWellness全体の総量を上げること

がゴールだと考えてよいと思います。

 

 

反響次第でWellnessについて今後もっと掘り下げていきたいと思います。